蛍光灯の2027年問題 完全ガイド|いつ買えなくなるか、在庫はどうなるか、何から替えるか

「2027年で蛍光灯が使えなくなる」は誤解です。禁止されるのは製造と輸出入で、使うことも在庫を買うことも禁止されません。ただし売り場から消えるのは期限より早く、器具の寿命も重なります。正しい期限と、慌てずに済む順番をまとめました。

更新日 2026年10月NaN日 執筆 あかり替え 編集部

結論:禁止されるのは「製造・輸出入」だけで、使用と在庫品の販売・購入は禁止されない。期限は種類で違い、電球形(30W以下)は2026年1月1日に禁止済み、コンパクト形は2027年1月1日、直管・丸形は三波長形が2028年1月1日・一般色が2027年1月1日。メーカーは前倒しで生産を終えるので、店頭から消えるのは期限の半年〜1年前。やることは「①器具が10年超なら器具ごとLEDに替える ②残す器具のぶんだけランプを数本買い置く ③電球形とコンパクト形から先に手を付ける」の3つです。

何が決まったのか(水俣条約と国内法)

水銀による環境汚染を防ぐ国際条約「水銀に関する水俣条約」の第5回締約国会議(2023年11月)で、一般照明用の蛍光ランプを種類ごとに2025年末から2027年末にかけて製造・輸出入から段階的に廃止することが決まりました。蛍光灯は管の中に微量の水銀を封入して発光させているためです。

日本では「水銀による環境の汚染の防止に関する法律(水銀汚染防止法)」の施行令が2024年12月に改正され、一般照明用の蛍光ランプがすべて「特定水銀使用製品」に指定されました。製造と、他の製品の部品として使うことが原則禁止になります。輸出入は外国為替及び外国貿易法(外為法)で規制されます。

種類別の期限(環境省の案内)

種類 製造・輸出入の禁止開始日 備考
電球形蛍光ランプ(30W以下) 2026年1月1日(禁止済み) EFA・EFD など。白熱電球のソケットに付けるタイプ
電球形蛍光ランプ(30W超) 2027年1月1日 大型の電球形
コンパクト形蛍光ランプ 2027年1月1日 FPL・FML・FDL・FHT・FHP など。ダウンライトに多い
直管形・環形(ハロりん酸塩蛍光体=一般色 W/N/D) 2027年1月1日 型番の色記号に EX が付かないもの
直管形・環形(三波長形 EX-N/EX-D/EX-L など) 2028年1月1日 家庭のシーリングライト・キッチン灯の大半はこちら

出典は環境省「一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入の禁止について」です。環境省は同じページで「蛍光ランプの使用・販売・購入は禁止されません」と明記しています。

「一般照明用」と「特殊用途」

規制されるのは一般照明用です。殺菌灯・植物育成用・医療用・美術館の高演色など特殊用途の蛍光ランプは、日本照明工業会が整理した製品例に沿って区別されています。家庭や事務所で使う蛍光灯は、ほぼすべて一般照明用と考えてください。

メーカーは期限より早く生産を終える

法律の期限は「それ以降は作れない」という上限で、各メーカーは生産設備や在庫の都合から前倒しで終了します。パナソニックは2024年10月に次のスケジュールを公表しました(家電Watch 2024年10月1日報道)。

パナソニックの区分 生産終了
直管蛍光ランプ(一般色形) 2025年6月末(終了済み)
ツイン蛍光ランプ(コンパクト形) 2026年9月末
直管蛍光ランプ(三波長形) 2027年9月末
丸形蛍光ランプ 2027年9月末
点灯管(グロー球) 2027年9月末
特殊用途蛍光ランプ・電球 2027年9月末

一部の品番はこれより早く終わるとされています。ホタルクス(旧NEC照明)は2027年12月まで、東芝ライテックも同時期に終了を公表しており、三社とも「法律の期限の少し前」に揃っています。つまり直管・丸形の三波長形でも、新品が店頭に並ぶのは2027年中が目安で、2028年以降は流通在庫だけになります。

なお、パナソニックは蛍光灯を使う照明器具そのものの生産を2019年3月末に終えています。いま売られている蛍光灯器具はほぼありません。

「使えなくなる」は誤解。本当に困る3つのこと

  1. ランプが切れたときの替えが手に入りにくくなる。 製造終了後は在庫のみ。価格が上がり、色(昼白色・電球色)やサイズによっては早く品切れします。
  2. 点灯管(グロー球)も終わる。 グロースタータ式の器具は点灯管が寿命(約6,000回点灯)で点かなくなります。パナソニックは点灯管も2027年9月末で終了予定です。
  3. 器具そのものが寿命を迎えている。 蛍光灯器具の耐用年限はメーカー表示で8〜10年。日本照明工業会は10年を超えた器具は外観で判断できない劣化(安定器・ソケット・配線の絶縁劣化)が進んでいるとして、器具ごとの交換を勧めています。ランプだけ確保しても、器具が先に壊れる可能性があります。

買い置きはすべきか

結論から言うと、器具を残すと決めた場所のぶんだけ、ランプ寿命1〜2回分が目安です。

買い置きが向くのは、賃貸で器具を替えられない部屋、特殊な器具(和風ペンダント・業務用・美術品照明)、使用頻度の低い場所(物置・納戸)です。

やるべきことの順番

家庭

  1. 電球形蛍光灯(EFA・EFD)を先に。 すでに製造禁止で、在庫が最初に消えます。LED電球への交換は工事不要で、口金(E26・E17)と「W形相当」を合わせるだけです。→ 電球形蛍光灯をLED電球に替える
  2. ダウンライトのコンパクト形(FPL・FDL・FML)。 2027年1月で禁止と、直管・丸形より1年早い区分です。器具が天井に直結のため電気工事店に器具交換を依頼します。
  3. 丸形(FCL・FHC・FHD)のシーリングライト。 引掛シーリングに付いていれば、LEDシーリングライトへ自分で交換できます。器具が10年を超えているなら、ランプ交換ではなく器具交換を。→ 丸形→LEDシーリングライト
  4. 直管(FL・FLR・FHF)のキッチン灯・洗面所。 天井直結なら電気工事店へ。器具を残すなら点灯方式を確認してから。→ 点灯方式の見分け方、直管→器具交換・バイパス工事

事業所・マンション共用部

  1. 台数と型番の棚卸し。 フロアごとにランプの型番(FLR40S か FHF32 か)と器具の年式を記録します。型番は 型番解読ツール で読み解けます。
  2. 器具交換を基本に見積もり。 日本照明工業会は器具ごとの交換を推奨しています。台数が多いほど1台あたりの工事費は下がります。
  3. 既存器具を残す場合はガイド301に沿った工事。 安定器の取り外し、ソケットの点検・交換、改造済みの表示が必要です。「工事不要」タイプの一括導入は、ラピッド式・インバーター式では事故例があり勧めません。→ 「工事不要」LEDの条件と危険
  4. 費用対効果の試算。 LED化の費用と電気代の計算 で、電気代の差と回収年数を出せます。自治体や国の省エネ補助金の対象になる場合があるので、工事前に確認してください。

よくある質問

Q. 2028年以降、手元の蛍光灯を使い続けても違法ですか? A. 違法ではありません。禁止は製造・輸出入で、使用・販売・購入は禁止されません(環境省)。

Q. 2027年に一斉に売り場から消えますか? A. 一斉ではありませんが、メーカーの生産終了(2026〜2027年)の後は在庫だけになり、売れ筋の形・色から順に消えます。電球形とコンパクト形が先、直管・丸形の三波長形が最後です。

Q. LEDも寿命があるのでは? A. あります。LED器具の設計寿命は約40,000時間(1日10時間で約10年)で、多くは器具一体型のため寿命が来たら器具ごと交換します。蛍光灯器具の10年と同じ感覚で、交換時期が来たら器具を替える前提の製品です。

Q. 蛍光灯の処分はどうすれば? A. 水銀を含むため、多くの自治体で有害ごみ・資源として分別回収しています。→ 蛍光灯の捨て方

出典