結論:蛍光灯(直管・丸形・コンパクト形・電球形)は水銀を含むため、自治体の「有害ごみ」「蛍光管」「資源」などの区分で、割らずに出す。購入時の箱や新聞紙で包み、集積所の指定の場所へ。自治体の回収日が少ない場合は、家電量販店・ホームセンター・自治体施設の回収ボックスも使える。割れたら換気して手袋で集め、掃除機は使わない。事業所から出る蛍光灯は産業廃棄物(水銀使用製品産業廃棄物)として処理する。
なぜ分別が必要か
蛍光灯は管の中の水銀蒸気に電子を当てて紫外線を出し、蛍光体で可視光に変えています。1本あたりの水銀は数mg〜10mg程度と微量ですが、割れると水銀が気化し、埋め立てや焼却で環境に出ます。このため「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」のもとで、蛍光灯は分別回収と適正処理の対象になっています。製造禁止の経緯は 2027年問題の完全ガイド をご覧ください。
家庭から出すとき
自治体の区分を確認する
区分名は自治体によって違います。「有害ごみ」「有害性ごみ」「蛍光管」「資源(蛍光管・乾電池)」「危険ごみ」などです。収集日が月1回程度の自治体が多く、集積所に専用のコンテナが置かれる場合と、指定の袋に入れて出す場合があります。自治体のごみ分別アプリや「ごみ分別辞典」で「蛍光灯」を引くのが早いです。
出し方の基本
- 割らない。 購入時の箱、または新聞紙・緩衝材で包みます。
- 長い直管は紙で巻き、両端をテープで留める。 2.4mの110形は収集車に載らないことがあるので、自治体に確認します。
- 丸形は箱か紙袋に。 2本重ねるときは間に紙を挟みます。
- 電球形蛍光灯・コンパクト形も同じ区分で出す自治体が大半です(「電球」の区分と分けている自治体もあるので確認)。
- LED電球・白熱電球は別区分(不燃ごみ・小型家電など)。LEDには水銀は含まれません。
- **点灯管(グロー球)**は不燃ごみ・小型家電など、自治体の区分に従います。
回収ボックスを使う
自治体の収集日を待てないときは、次の場所に回収ボックスがあることが多いです。
- 家電量販店(店舗によって直管・丸形・電球形の受け入れ範囲が違う)
- ホームセンター
- 自治体の清掃事務所・リサイクルセンター・区民センター
- 一部のスーパーや電器店
「自店で購入したもの」「家庭用のみ」「1回に数本まで」などの条件がある場合があるので、店頭の表示を確認してください。
割れたときの対処
蛍光灯が割れると、水銀蒸気が室内に広がります。量は微量ですが、次の手順で片付けます。
- 窓を開けて換気する。 15分ほど人を遠ざけます。
- 掃除機は使わない。 水銀蒸気を室内に拡散させます。
- 手袋をして、大きな破片は紙や厚紙で集める。 細かい粉はガムテープや湿らせたペーパータオルで拭き取ります。
- ふたのできる容器や密閉袋に入れる。 破片と拭き取ったものを一緒に。
- 自治体の区分で出す。 割れたものは「割れた蛍光管」として受け付け方法が指定されていることがあります。
- その後も数時間は換気を続ける。
カーペットの上で割れた場合は、拭き取り後に粘着テープで残りを取ります。小さな子どもやペットがいる場合は、片付けが終わるまで部屋に入れないようにします。
LED化で一度にたくさん出るとき
家のすべてのシーリングライトをLEDに替えると、丸形蛍光灯が10本以上出ることがあります。
- 自治体の1回あたりの本数制限を確認します。制限があれば数回に分けるか、清掃事務所に直接持ち込みます。
- 器具本体は粗大ごみ(一辺30cm以上)か不燃ごみ。LEDシーリングライトの交換なら、新しい器具の箱に古い器具を入れて出すと運びやすいです。
- まだ使える蛍光灯は、同じ形の器具を残す場所の予備にするか、必要な人に譲ります。2027年以降は新品が手に入りにくくなるので、未使用品は価値があります。
事業所から出るとき
事業活動で出た蛍光灯は家庭ごみとして出せません。2017年の廃棄物処理法施行令の改正で、廃蛍光灯は「水銀使用製品産業廃棄物」として、保管・運搬・処分に特別の基準が設けられています。
- 排出事業者(会社・店舗・マンション管理組合など)が、産業廃棄物収集運搬業と処分業の許可を持つ業者に委託します
- マニフェスト(産業廃棄物管理票)に「水銀使用製品産業廃棄物」であることを記載します
- 保管場所には「水銀使用製品産業廃棄物」の表示をし、他の廃棄物と混ざらないように、破損しないように保管します
- 電気工事店に器具交換を頼む場合、既存の蛍光灯と器具の処分を工事に含められることが多いので、見積もり時に確認します(処分費は別途かかります)
LED化の工事と処分の進め方は 直管→器具交換・バイパス工事 の「事業所でまとめて替える」をご覧ください。
よくある質問
Q. 燃えないごみに混ぜて出してしまいました。 A. 次回から区分を守れば大丈夫です。収集時に割れると作業員や周囲に水銀が出るおそれがあるため、自治体は分別を求めています。
Q. 蛍光灯の回収ボックスに、LED電球や白熱電球を入れていい? A. 入れないでください。水銀を含む蛍光灯だけを集めて専用の処理(水銀の回収・ガラスと金属の再資源化)に回す仕組みです。LED・白熱電球は自治体の不燃ごみ・小型家電の区分で。
Q. 未使用の蛍光灯の買い置きが余りました。 A. 未使用でも区分は同じです。使う人に譲るか、回収ボックスへ。器具を残す場所の予備にする選択もあります。
Q. 水銀は体に害がありますか? A. 蛍光灯1本に含まれる水銀は微量で、割れた直後に換気すれば健康への影響は通常ありません。日常的に多数を割る環境(処理施設など)では管理が必要です。不安な場合は破片に素手で触れないようにし、換気を十分に行ってください。
出典
- 環境省「水銀使用製品産業廃棄物」および「水銀による環境の汚染の防止に関する法律」に関する案内 https://www.env.go.jp/chemi/tmms/lamp.html
- 各自治体のごみ分別案内(蛍光管の区分・出し方、2026年10月18日確認)
- 日本照明工業会「蛍光ランプの処理について」の案内